17.例会の標準プログラム


17.例会の標準プログラム

 吃音改善研究会では、朗読、挨拶・スピーチ、ロールプレイングという3つ
の種類の練習を、共通練習・個別練習・特別練習の3つの練習形態毎に行いま
す。共通練習と個別練習の中では、合同練習という形態で行う場合もあります。
そして、検定試験で、改善効果の客観的な確認とフィードバックをします。

 先ず、共通練習でスタートします。メンバー全員が吃らずに話せる難易度の
低い練習から始め、簡単な場面では吃音反応が起きない事を確認してもらいな
がら、序々に難易度を上げて行きます。現在の吃音改善研究会の例会では、朗
読、挨拶、電話の3つの共通練習を行なっています。朗読でウォーミングアッ
プを行い、重要度の高い挨拶を様々な難易度とパターン毎に練習し、最後に苦
手な人が多い電話練習を行なう、という流れで進めています。
 
 共通練習が終わったら、個別練習です。個別練習は全員が同じ持ち時間を使
って、自分が苦手な練習を順番に行ないます。吃音改善研究会では、1回1分
30秒の標準持ち時間で個人毎にやりたい練習を行います。個別練習では、自
分が困っている苦手な場面・状況の練習や、緊急な課題(例えば、営業プレゼ
ンテーションや朝礼スピーチ等)に絞って練習を行ないます。この際、同じ練
習をしたい人が何人か組んで、合同練習として行う場合もあります。合同練習
として、4名が組めば、持ち時間は4倍になります。なお、例会人数が多い場
合、例会の前半で、2グループに分かれて練習します。少ない人数で何度も練
習し、全員が合流して行う後半の練習へのウォーミングアップになります。

 次の検定試験というのは、1人1分30秒の課題練習の後で、他のメンバー
が審査員としてコメントやアドバイスをするものです。個別練習の緊張感を少
し上げるためと、各自に自分の症状の変化や他人の評価を客観的に理解しても
らうためです。他のメンバーからの客観的な評価やアドバイスを聞いて、改善
効果が実感でき、改善努力の動機付けが図れる効果があります。最近はメンバ
ーが増えて実施時間が長くなったので、検定試験は月1回(第4日曜日)のみ
に実施し、メンバーコメントも1人に対して2〜3名迄に制限しています。

 そして、最後が全員でのロールプレイングによる特別練習です。例えば、朝
礼の練習であれば、司会者、経営方針の唱和、スピーチ、新入社員、部門報告、
オアシス運動といった役割をメンバー全員で分担して、会社での朝礼を一通り
行います。この練習が例会の中で一番難しい練習であり、ここで問題なく話せ
るようになれば、改善もかなり進んだ事になります。